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幼稚園バスにシートベルトは義務ではない?安全のためのガイドラインとは?

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幼稚園やスイミング、スポーツクラブなどの送迎に使われる幼児専用車。

(以下幼稚園バスとします)

 

現在これらの幼稚園バスには、シートベルトの装着は義務化されていません。

 

2008年、道路交通法改正で、普通乗用車でも運転者は

すべての同乗者へシートベルト装着

させることが義務付けられています。

 

よくよく考えれば当たり前ですよね。

 

時速100kmでぶつかった衝撃で、クルマの外へ投げ出されたら大変です。

 

しかし、なぜ幼稚園バスにはシートベルトを装備しなくてもいいのでしょうか。

 

幼稚園バスは、道路交通法に定める通学通園バスの

保安基準に則って製造されています。

 

大型バスや、通常のバスとはそもそも基準が異なるのです。

 

車両には、“幼児バス”などと書かれた三角形の黄色いマークがつけられています。

 

 

そもそもシートベルトの役割とは?

 

シートベルトの大きな意味は、車外に放り出されないためのベルトです。

 

事故が起きた時、車外に放り出されてしまうと、死亡率が上がります。

外傷を負いやすくなるのです。

 

現実的に考えて、幼稚園バスは街中の路地、住宅街をゆっくりと走行、

停車しています。

 

動き的には路線バスと同じで、高速バスと違う、

と考えるとわかりやすいでしょうか。

 

 

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シートベルト装着が義務化されていない理由は?

 

幼稚園バスにはなぜシートベルトが義務化されていないのでしょうか。

 

一つ目には、限られた時間の中で、園児すべての着脱を行うのが難しいこと。

 

幼児自らの着脱が難しい年齢でもあるため、

緊急時の脱出にとても時間を要してしまいます。

 

二つ目は、幼児の体格が様々で、

一定の座席ベルトの装着では不都合が起こります。

 

いちいちその子に合わせてベルトを伸ばしたり、縮めたり、

ということはあまり現実的ではありませんね。

 

これらを踏まえ、同乗する大人(幼稚園の先生など)の

着脱補助の作業が発生してしまうことが理由です。

 

ただでさえ、狭い住宅街で停車して乗り降り業務の発生する幼稚園バス。

 

近年では、その停車時間を短くするような意見が住民から届くこともあるようで、

シートベルトの着脱業務が増えてしまったら、

より停車時間が長くかかるのは目に見えています。

 

 

幼稚園バスに関するガイドライン

 

平成25年、幼稚園バスの座席に関する安全対策として、

具体的なガイドラインが発表されました。

 

・シートバックの後面に緩衝材を装備

・シートバックの高さを今より100mm程度アップ

 

これらはあくまでもガイドラインな為、義務化はされていません。

 

ただ、急ブレーキや衝突で幼稚園バスに衝撃が加わった場合、

園児が頭をぶつけてけがをするケースが多かった為、

このようなガイドラインができたようです。

 

幼稚園バスは通常の路面バスよりも座席同士の幅が狭く、

園児たちの体型に合ったつくりになっています。

 

大人には狭いくらいの車内なので、

路面バスで事故に遭ってしまった場合と比べても

前まで体が飛んで行ってしまうようなことは

起こりにくいのかもしれません。

 

 

さらに、このガイドラインには、「将来に向けての課題」として、

 

「今後、自動車製作者等は、使用実態に十分配慮しつつ、諸課題を解決した

座席ベルトを開発し、3年から5年を目途に適切な座席ベルトの装備を

望む使用者が新車を購入時に選択できるようになることを目指すこと」

という記載もあります。

 

すでにこのガイドラインが出て6年以上が経過していますが、

まだまだシートベルトなしの車両が多いのが現状です。

 

 

幼稚園バスを楽しいひとときに

 

町の中を走る幼稚園バス

寝ている子や外を覗いている子、

外から見ていてもほほえましい気持ちになります。

 

園児たちの楽しいひとときが、

より一層安全な時間であるように。

 

安全対策としてシートベルト着用が選択できるようになっても

いいのかもしれませんね。